樺太や千島列島や北方領土では日本人が松前藩を中心として漁場や航路を開設したり〜間宮林蔵などが測量を行ったりしてました。これらの出来事は樺太対岸の沿海州地方をロシアが当時の清から1860年の北京条約によって遥か昔から日本人は樺太や千島列島や北方領土と深い関わりを持っていました。

幕末にかけて急速に南下するロシアと古くから樺太や千島列島や北方領土と強い関わりを持った日本が国境を巡って話し合いを行い1855年に北方領土の択捉島と千島列島の得撫島の間を日露の国境とし、樺太については両者とも譲らずに両国の混住の地とする事で合意しました。

1855年の日露通好条約によって混住地とされていた樺太にロシアが大量の軍人や囚人を送り込むなどの軍事的挑発により日本人居住地が圧迫されていた為、樺太千島交換という形式で樺太をロシアに併合され、その代わりに樺太よりもずっと小さな千島列島を日本領とする不平等な条約を結ばれます。

アメリカのセオドア・ルーズベルト大統領の仲介により、日露戦争後の取り決めにより、樺太の北緯50°以南(南樺太)を日本領として復帰します。またここで注意が必要なのは日露戦争での南樺太の獲得は、あくまでも明治初期に樺太千島交換条約という名目でロシアに樺太を半軍事的に併合された事に対する回復戦争という事であり、日本が同時期に併合して台湾や朝鮮半島といった地域とは全く性質が異なります。

ロシア国内で革命が起き共産主義政権の樹立を防ぐためにアメリカやイギリスなどの資本主義諸国と一緒に革命を阻止しようとしました。
その際北樺太を保証占領という形式で一時的に樺太全域が日本の実効支配になります。しかしこの試みは失敗しソビエト社会主義共和国連邦(ソ連)が成立してしまいます。

成立したソ連と国交を樹立し、北樺太から日本が撤退し、ポーツマス条約での国境線(北緯50度線)の有効性を確認する一方で北樺太での石油利権を日本が獲得する事を合意します。

日本とソ連は5年間の相互不可侵をこの条約にて約束しました。

アメリカのフランクリンルーズベルト大統領とイギリスのチャーチル首相とソ連のスターリンは第二次世界大戦での領土の不拡大を宣言しました。

米英中の3カ国は日本が暴力及び侵略戦争によって得た地域(朝鮮半島や台湾や太平洋の島など)からの撤退などの要求が含まれていましたが、そもそも北方領土は元々1855年の日露通好条約以降一貫して国際法上、日本の領土なのでこの宣言の影響を受けません。また得撫島以北の千島列島についても樺太千島交換条約で形式上は平和的外交交渉によって手に入れた地域の為、日本が暴力及び侵略によって得た地域にはあたりません。また南樺太についてもアメリカの仲介によって得た地域なので暴力及び侵略によって得た地域には該当しません。

1945年2月に現在のウクライナのクリミア半島のヤルタにてアメリカのルーズベルト大統領とイギリスのチャーチル首相とソ連のスターリンが会談し、ソ連の対日参戦を条件に南樺太と千島列島をソ連が占領するという密約を結びます。
ロシアはヤルタ協定を北方領土などを不法占拠する口実に利用していますが、
しかしこの秘密協定では日本は当事国で無いため縛られません。また当事国であるアメリカは戦後この協定の法的有効性を一貫して否定しています。

ソ連は当時有効であった日ソ中立条約を一方的に破り火事場泥棒のように南樺太や千島列島や北方領土に侵略し、日本がポツダム宣言受託後の8月15日以降も対日侵略を続け、少なくとも9月5日までに北方領土全域を占領しました。

ソ連軍は占領した地域にて略奪やレイプや放火などの非行行為を行い、更に成人男性は「本土に引き揚げられる」という嘘を言われ船に乗せられシベリアでの強制労働を強要されました。

GHQとソ連の間で引き揚げ協定を結び、北方領土や南樺太や千島列島の住民はトイレの汚水が流れる不衛生な船に乗せられ樺太南部の真岡町の小学校跡地の強制収容所に２週間ほど収容され、極寒の中、スープと少しの黒パンなどの僅かな栄養しか与えられず、体調を崩して亡くなる子供や手や足を失う子供も続出しました。
そんな中で本土から引き揚げ船が来て、函館に到着し、その後南樺太や北方領土の島民はバラバラとなり本土の各地で一からの生活を余儀なくされました。

日本は連合国と戦後処理としてこの条約に参加し
南樺太と千島列島を放棄しましたが、そもそも北方領土は北海道の一部の為この条約に含まれず
またソ連はこの条約に調印しなかった為、
国際法上、南樺太と千島列島は帰属未定となっております。
またソ連がこの条約に調印しなかった為、ソ連及びロシアはこの条約での権利・権限を主張出来ません。またソ連は相互不可侵の日ソ中立条約や
領土不拡大の大西洋憲章を無視して南樺太と千島列島を占領した経緯もあり、
その為現在でも有効なのはポーツマス条約での国境線だと言えるでしょう。